あ〜さんの音工房

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免許無用、原付不要

  

 仕事場まで5キロ以下の距離で、あまり危険の無いコースで行けるのなら、自転車通勤もありかなと思う。冬場、積雪があれば不可能だし、東京で自転車通学していた経験から寒い時期は難しいと思うが(今や頻尿だし)、どこぞで桜の声を聞いたりすると、ふと考えてみたりする。
 山間の中腹に住んでいるので、問題になるのは坂だ。厳しい登坂なので、自力で登り切るのは軽いギアに落としても無理だろう。そこで思うのが電動アシストだ。いつの間にか原動機付きを上回る出荷台数なのだという。以前は不細工なママチャリ的なものしかなかったが、今やこんなナイスなデザインの車がある。



 クラシックなモチーフの中で、バッテリーを上手いこと処理している、古今折衷の自転車だと言えるだろう。カッコイイ。バッテリーは前輪を駆動するようだ。人力時はもちろん後輪駆動だが、アシストを受けながらペダルを踏んでいる時は前後2輪駆動になるのだろう。どんな感じなのだろうか? それに対してこちらは、



 原初的な原動機付き自転車に、エンジンの替わりにバッテリーを搭載した感じだ。前輪にサスペンションが見えるが、後輪はリジッドのようだ。燃料タンクとバッテリーをすげ替えたデザインで、こちらもカッコイイ。タイヤが重そうだが。泥よけもチェーンカバーもないので、この状態で市販されているのかは不明だが、『italjet イタルジェット』のデザインは非凡だと思う。


『イタルジェット』はスクーターで有名なメーカーらしいが、海外では多くのバイク、自動車メーカーがこの市場に参入している。『e-bike』と呼ばれているらしい。アウディBMW、フォードに混ざって、ケータハムまで作っている『e-bike』だが、中には50キロ以上の速度が出せる車がある。なんなら80キロ越のものも。それらはフルアシストの電動自転車なのだろうが(停止状態からアクセルで動くもの。日本では原付扱い)、イタルジェットのような極めて自転車的な車でも(多少重くて、漕ぎにくかろうが)普通に50キロ程度は出るんじゃなかろうか。だとすると50ccエンジンを積んだ原動機付き自転車の存在意義が問われる事態だ。
 みなさんご存知の通り日本の公道における原付の法定最高速度は30キロだ。ところが自転車には法定最高速度の規制は無い。なので50キロ制限の国道を50キロでお咎め無しに走れるのだ。エンジン付きの自転車は常に時速30キロ以下で、人力なら制限速度で走行可能なんて馬鹿げた話だし、登坂など速度が落ち負荷が掛かる場面ではアシストを得られ、尚かつ人力なら他の車両同様に公道を走れる電動アシスト付き自転車のほうが良い乗り物と言えるのではなかろうか。街中や短い距離ならこちらを選ぶ価値は充分にある。しかもこのデザインだ。エンジン不要な人にとって、電動アシスト付き自転車は、魅力溢れる選択肢足り得るだろう。


 時代は変わる。価値観も変わる。免許無用の自転車がこんな事になっていようとは。アンテナを伸ばしておかないと、色々な物事から取り残されてしまうようだ。そしてこれらは電気製品として「家電売り場』に並ぶ日が来るのだろう。(既にそうなってるのか? パナソニックが参入しているし)
 暖かくなったら、少しは体を動かさないとなと思いながら、ナイスなデザインの電動アシスト付き自転車を眺める週末なのだった。