あ〜さんの音工房

アーカイブはこちら→http://akeyno.seesaa.net/

さよなら夏の日

 明日から雨で、月曜には台風が本州に最接近で大荒れと予報が出ている。今のうちにと夏向けキャンバススニーカーを洗った。10月になった事だしそろそろ終うとするか、この2足はずいぶん丈夫だな、来シーズンも履けるななどと一人ごちていると声をかけられた。振り向くと雛燕が佇んでいた。



 ども、とおどけた雛燕は、いつぞやは爺さんがお世話になりましたと続けた。ああ、あいつの孫かと思い当たった。あの低空飛行でよく生き延びたものだ。余程運に恵まれたのだな、お前もなんとかなるんじゃないのかなどと話していると、狩りの最中の鳶が空を舞って来た。優雅に滑空する姿に、ぼくもあんな風に高く飛びたいですよ、と雛燕は見上げた。



 日差しの注ぐ中、温泉で暖まった体を窓から招き入れた風で涼ませた。過ごしやすい日だ。嵐の前の静けさか? 洗ったスニーカーが、そろそろ乾く。



 台風一過の来週は、ぐんと気温が下がるらしい。いよいよ冬の足音が聞こえて来るようだ。