あ〜さんの音工房

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作家になんてなるもんじゃねぇ

 

 おかしい、見間違えだろうか。こんなことあるはずないのだが。でも、まあ、とりあえず・・・ポチッとな。
 2日後、本当に届いた。



 志水辰夫(以下、敬愛の念を込めてシミタツ)の『冬の巡礼』(単行本)が50円(税・送料込)。嘘のような本当の話だ。50円ったらハガキより安価だ。送料すら賄えているとは思えない・・・一体どうなっているんだ!? そうだ、本そのものがボロいに違いない。検品してみよう。
 若干小口がやけているようだが、1994年の初版にしてはキレイだ。折れも書き込みも見当たらないし、特にニオイもない。ボロいどころか状態良好じゃないか。おかしい。なぜ50円なんだ。こうなると可能性は2つだ。


 其の一 価格の打ち間違い  これはあり得る。例えば250円の2を抜かしてしまい50円になっていたとか。そして直す間もなく私がポチッとした。そうでないと残るは・・・。


 其の二 この本の内容が50円の価値しかない  これはないだろう。だってシミタツだぜ。ないない。巻末に『野生時代』1993年5月号から8月号まで連載したものを、大幅に加筆・改稿をしたとある。単行本化する際に更に推敲しているんだ。つまらん内容の訳がない。そのはずだ。早速読んで確認してみよう。そして本当に50円の価値しかなかったのかは、読了後にまた書こう。ちなみに定価は1400円だ。
 しかし、いくら連載をまとめたもので減価償却済みだとしても(大幅に加筆・改稿をしてもいるし)ポチッとしたら50円で自宅のポストまで届くとは・・・なんと最早言葉もない。返却する必要もないので借りるより安い。



 月が変わったが、天候優れず、今朝は結構な積雪があった。日中ぐんぐんと気温が上がり青空が広がったが、気分はもやついている。
 古本て有り難くも切ないね。そして作家のみなさんが不憫でならない。中古のエレキギターだってこんなに値崩れしないよ。合点のいかない現実だ。