あ〜さんの音工房

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 レオナルド・ブラーボ リサイタル『ギターで辿るイベロアメリカ』が盛会のうちに終了。なかなか聴けない演目ばかりで楽しかったな。


 いつものように物販職人として参加してきましたが、売れた売れた。最新ディスクとブラーボ編タンゴ名曲集は完売。なんだろう、景気が回復してきているのかな? 終わってからが一番忙しかったのは、アンコールに次ぐアンコールだったから。尻上がりに盛り上がったのでね。これで満席だったらなぁ。顧客満足度は極めて高かったんだけど、空席はあった。ブラーボ氏は東京を本拠地にしているから、遠方からは見込めないとはいえ埋めたかったな。


 終演後、ブラーボ氏のお弟子さんと話す機会があった。この方は中野潤氏製作のギターを愛用されていて、師匠の演奏会のついでにメンテナンスの為に楽器を持参して来ていた。今回の演奏会の後半でも使用されていた「叩いても良い音」でお馴染みの中野ギターだが、杉の表面板のものは珍しい。教室で弾いていると桜井氏や野辺氏などの製作家が大変な興味を示し、見せてくれと引っ張りだこだそうだ。「ここまで使い込んだなら一度みてもらうのが正解ですよ」などど会話するうちに、この方は主婦で子育て等々が一段落ついたので、趣味のギターを再開されたことが判った。これは「野良ギタリスト人口」を増やす理想形のひとつなんだよ。私も同じ「復帰組」だしね。やはり一度興味を持つと帰って来るものなのだなと実感したよ。
 

 あとは「新規」なんだよな。若い人は置いとくとして、私のような中高年層が新たな趣味としてクラシックギターを始めるのに何が障害になるのか? 楽器は安い量産品でもなんとかなる事は判った。とりあえず先生に付いたり教室に通ったりせずとも独学してみたらどうだろう? ちなみに私はクラシックギターエレキギターも習ったことはないが、そこそこ楽しめる程度には弾けるようになった。これからしばらくは作りは雑だがカッコよろしいでお馴染みのヤマハの量産ギター『サンダー』で良い感じに弾けるようになったクラシックのレパートリーを録画して公開して行く予定だ。どうです、二の足を踏んでいるみなさんも初めてみませんか? 「野良ギタリストの為の楽譜の読み書き講座」を始めようかとも考えていますから(これも障害になっているでしょうから)この機会にどうでしょう? なんなら「ウキウキ演奏講座『ラグリマ』を弾く」もやりましょうか?


 良い演奏家はそこかしこにいて、見聞きする機会もあるはず。充実した演奏会に空席があるなんてもったいない。ギターの演奏会に足を運んでもらうには、趣味のギターを始めてもらうのが近道だと思うに至った春の日の午後でした。