あ〜さんの音工房

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あ〜さんぽ プランBの下山でロスト

 

 馬鹿に暑い晴天が続いて、川の水量も落ち着いたようだ。



 4時起きで出かけてみたが



 なんてこったい。『有明山』の登山ルートは3つあるらしいが、ここは「馬羅尾沢登り」コース。途中の大滝までは斜度がキツ過ぎず、何度も川を渡るのでその度に景観が変わり、大滝もそれほど高さがある訳ではないが、見栄えが良い。楽しい「山歩き」が出来る希有なコースなのだが、如何せん滝を登ってからは、それまでを取り返せと言わんばかりの、ひたすらつづら折りからの梯子とチェーンで登頂する面白みのないコースになってしまうからか、人気がないようだ。この先の登山道入り口のそばに駐車場があるが、そこまでは酷いがれ場で地上高の無い普通車では底を擦りまくるし。10年以上前にはシーズンに2度3度と歩いていたのだが、どうもその後も不人気でとうとうこんなことになってしまったようだ。



 佇む黒スポ。楽しみにして来たのに・・・仕方ない、プランBを発動する。



 少し戻って



 『雨引山』登山に変更する。が、こちらは「登山」なのよね。「山歩き」のテンションで来てるからな、今回は。まだ6時だし、ゆるっと登ってみるか。



 こちらも不人気そうだ。静かな登山が期待出来る。



 いきなりの川。昨夜降ったのだろか?



 そして、もの凄い斜度の登坂だ。



 どこまでも続く。いきなりこれじゃ人気でるわけがない。


 始めの延々と続く登坂を登り切るのが『雨引山』の肝だった。10分どころか5分刻みで小休止を繰り返し、その度に汗を拭き、凍らせて来たペットボトルを脇に挟んで体温を下げた。



 最初の尾根に出るまで30分かかった。ひたすら登ったら登ったでこんなだし。人気出るわけない。



 地面ごと持って行かれている。大雨の仕業だろうか?



 『雨引山』はこちら。



 登坂の始まり。



 今度は根で足下が悪い。



 上ったり下りたり。



 巨石が出て来てこんにちは。



 迂回するように通ると行き止まり。行き止まり?・・・ここを下るのか?



 キョロキョロと見下ろすとリボンを発見。下るのだ。



 突如現れた巨石と崖下りのアトラクションをこなすと



 左方が開ける。そして



 ロングな急登坂再び。これはもう気力だけでは登り切れない。ようし「牛歩作戦」を発動だ(説明しよう! 牛歩作戦とは、非常に歩幅を短くして、ゆっくりと進む事で、体力の消耗を抑え、精神的には登ってないんじゃないのかと錯覚させる歩き方なのだ!)。増しな斜度なら数メートル登っては休み、厳しい斜度なら数歩登っては休みを繰り返して、なんとか制覇出来た。



 細い尾根を進むと



 「下山道」の標識が。登頂まだですけど。



『雨引山』はこちら。



有明山』はこちら。



 他は霧の中。



 光の先は



『雨引山』山頂に到達。時刻は8時。2時間の道のりであった。



 山頂からの景色はこの通り(一週間ぶり2度目)。



 登り始めと山頂直前の急登坂はとにかく厳しい。何度か諦めようかと思ったくらいだ。マゾヒストのみなさんにはお勧めだが、ノーマルなみなさんはそれなりの覚悟が必要だ。
 コースはリボンと杭と標識が途切れないので迷う事はない。逆に登坂中は思考力が落ちるのでないと困る。さて、下りは登ったコースを戻るか、さっきの「下山道」を行くか・・・。



 行く手を遮る者を発見。クワガタだ。



 これは珍しい。頭の形からするとミヤマクワガタではないのか? 子供の頃ノコギリクワガタは夏の度に捕まえては飼っていたが、ミヤマクワガタは1度だけだったと記憶している。こんなところで出会うとは。いやいや、こんなところでなければ生息出来ないと言う事か。傷ひとつない立派なオスだ。達者でな。



 来た道を引き返すのが確実だが、こっちにするか。ずっと下ってるようだし。



 少し下ると開けた。こっちで良いのか?



 こっちだった。あっちでも良さげだけども。



 こっちは薮だ。道幅は狭く、足下もぬかるんでいる。



 あっちの方がなどと考えていたら



 道を見失う。薮の向こうにリボンを発見。助かった。



 道は大雨で流されたか?



 標識も頼りない。



 橋も頼りない。渡ると



 開けた。



 ・・・車道なのか? 今度こそ「下山道」を見失ったようだ。



 上の分岐であっちを選択していたら、この道に続いていたのではなかろうか。



 それにしても甚だしい倒木。この様子では「馬羅尾沢登りコース」の復旧は見込めないだろう。残念なことだ。



 駐車場所の直近に出た。これが「下山道」だったのだろか?



 違った。も少し下ったところに出るようだ。やはり見失っていたのだ。車道に出たので助かった。くわばらくわばら。



 図らずも登ってしまった『雨引山』だが、途中に巨石が出て来るくらいで、ひたすら森の中を歩くので眺望もなにもない。登頂してもあの有様。この山は更なる高峰を目指す為の練習には使えるが、何度登ろうとも喜びも満足も与えてはくれないだろう。『有明山』も復旧の見通しすら無さそうだし、他に満足出来る「山歩き」が出来るコースを見つけなければならないだろう。



 沢登りのはずだったんだがな・・・。



 不人気の山にはそれなりの理由があるもんだ。かといって人気の山は人だらけで息が詰まるし。人気の山の人気のないコースって手があるか。考えどころだ。