『ソナチネ』への道 その2
やはりアルペジオが鬼門である。50ー52小節のパターンは、弦番号で示すと632123 と上昇下降を繰り返すのだから、弾弦する右手は親指p、人差し指i、中指m、薬指aをそれぞれの弦にあてがうのが合理的だ。諸々の事情により私のa指はさっぱり動かないが、ここの部分は速度が欲しいので、やはり4指で行なうのが望ましい。練習を重ねているが、芳しくはない。
122小節からのアルペジオは更に厄介で、14小節も続く。いろいろと試したが、ここは速度に拘らず確実に1音1音弾くのが良さそうだ。その為にも動かないa指は諦めてpimの3指で弾くこととする。可能な限り速度も欲しいが、左手の押さえも困難なので一筋縄には行かないのだ。
拍ごとに移動する和音も困難だが、これは反復練習でこなせるはず。あとは全体をどうまとめ上げるか落としどころを探せば第3楽章は仕上がるだろう。ただし膨大な練習量が必要だ。地道に進めるしかない。
月初めから取り組んでいる第1楽章は冒頭がまるで手に付かず手間取ったが、ゆっくりとながら弾けるようになってみると、なかなか気分が良い。困難を克服する達成感と『ソナチネ』を弾いているという高揚感が得られるからだ。第2主題登場以降さらなる困難が予想されるが、楽しみたい。
この作品は『シャコンヌ』同様アルペジオの出来が全体の印象を左右する事になるだろう。だが不本意なアルペジオだろうが、オレンジ色の憎い奴が世に出ようが、手の及ばない物事はそれを受け入れるしかないのである。ただ手をこまねくことはせずに、出来る限りのことをするだけだ。
『ソナチネ』への道はまだ始まったばかり。先は長い。