週末大車輪
土曜日は『飯田文化会館』へ。
楽しみにしていた村治姉弟の『ギターデュオ・コンサート』が開催されたのでした。
プロのギターデュオに接したのは2回目くらいですし、お二人の演奏を聴くのも実に久しぶりのことでした。演目を見た限りでは軽めに思えましたが、それは実に計算された「丁度良い」ものでした。プログラムは
デュオ→奏一氏ソロ→休憩→佳織嬢ソロ→デュオ再び
とシンメトリーに構成されていましたが、私にとってのハイライトは奏一氏のターンで起こりました。バッハの『シャコンヌ』で。
奏一氏はデビューアルバムで『パルティータ第2番』全曲を世に問うています。思い入れのある事は疑い様のないところです。しかし、この日の演奏は(当然ながら)その録音とはまるで違うものでした。私がすぐに思い浮かべたのはバイオリニスト、ギドン・クレーメルの2度の録音のことでした。クレーメルも(当然ながら)初めのものと2度目のものとは大きく異なります。2度目のものは、驚くほど自由で、恐れを知らない演奏です。この日の奏一氏の『シャコンヌ』は、それに勝るとも劣らぬほど自由闊達で、生まれたてのように新鮮で、初冬の澄み切った青空を駆けるがごとき印象を受けました。奏一氏のバッハは、現世を恐れ、憎しみ、恨み、喜び、愛し、神に祈っていました。それを直に体感した私が、どれほど心震わせたか、とても文章で表せるものではありません。奏一氏が長きに渡り磨き上げた演奏に、ただただ圧倒されたのでした。
アンコールは2回。終演までキッチリ2時間。耳あたりの良い演目ありマニアックを満たす演目ありの、まるで幕の内弁当のように誰もが美味しい思いの出来た素晴らしい演奏会だったと思います。プロのギターコンサートは斯くありたいものです。満員の大観衆から惜しみのない喝采が送られたのは当然と言えるでしょう。
詰めかけたみなさんの満足度は極めて高かったと思われます。本当に素晴らしかった。
翌日曜日はレオナルド・ブラーボ氏の講習会の手伝いで山小屋へ。
氷点下の早朝から
鳥を焼いて来ました。
受講者のみなさんの昼食までに
なんとかかんとか焼き上げました。
ささやかながらブラーボ氏のお誕生日もお祝いしました。
喜んで頂けたでしょうか?
講習会の様子を聴講しましたが、論理的かつ的確で、一人一人の能力に合わせて丁寧に行なわれていました。ブラーボ氏の指導は聴いているだけでもとても為になりますね。今回のように中野ギター工房の後援でも年に数回開いているので、私もいつか受講したいものです。
次の週末もイベントが待っています。師走だし日々を充実させないと「光陰矢の如し」となりかねませんな。黒スポのタイヤもスタッドレスに交換しなくてはならないし、なにかと忙しない。