あ〜さんの音工房

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お誕生日会@中野ギター工房

 

 12月21日、晴天。この日は一流ギター製作家中野潤氏の50回目の誕生日。なので、ささやかながらお誕生日会を開きました。おそらく本人は記憶が朧げでしょうから、ここに記録しておきましょう。これ読んで思い出してね。



 今年の12月で中野氏が50歳を迎えると気がついたのが4月頃のこと。これはお祝いしなくてはと思い立ち、初めに考えついたのは『中野ギター祭り』でした。小さなホールを借りて、中野ギターユーザーに集ってもらい演奏してもらう。懐かしいギターに逢えて中野氏大喜び。が、これはすぐに頓挫。主催の私、成川氏の共催で可能な規模はと次に考えたのが『ピラータ』での10-15人規模のパーティですが、これもそんな人数呼ぶのもなんだなと言う中野氏の一言で却下。結局おじさん3人でひっそりと祝う事になったのでした。


 今回は忘年会ではなくクリスマス会でもないので、誕生日ケーキは必須。まずは成川夫妻がケーキ屋さん4件まわった末に作ってもらった素晴らしいケーキをご覧下さい。



 ここのおやじさんはギターのなん足るかを解っていますな。成ちゃんが「ギターを・・・」と言った所「アコギですかエレギですか?」と返したそうだし、この店で正解。私のオーダーはとにかく「50」だったがこれも良し。中野の「c」も良し。素敵なケーキだ。甘さ控えめで美味しかったな。


 笑顔の中野氏をご覧下さい(before)。



「それでは、中野さんの50歳の誕生日を祝って、かんぱーい!」


 2人は一升瓶から注いだ日本酒。私は運転して帰るのでウーロン茶で開幕。お誕生日会と言っても中野氏と『サイクルカフェ ピラータ』店主の成川氏と私とで鍋パーティするだけですけどね。
 いつも通りの時が流れて行く中、突然中野氏が立ち上がり「本当に!? よかったじゃん! 嬉しいよ!」と大興奮。



 固く握手をかわす2人。さらには涙を拭う50歳をご覧ください。



 その答えがこちら。



 『ピラータ』で、お誕生日会の相談をしている最中、成川氏に「お互い中野さんにはお世話になっているんだから・・・」と話した所「世話になんかなってないよ。どっちかって言えばこっちが世話してるんじゃない?」と宣っていたが、店の連帯保証人になってもらってんじゃん。だけど今年度末で完全に買い取って一国一城の主になるそうだ。なので中野氏「がんばったな。よかったよ」と大喜びの図になった訳です。思えばもうこのあたりで2人とも酔いが回り始めていましたな。


 さて、すっかり場が暖まったところで『一流ギター製作家中野潤氏生誕50年記念曲』のお披露目です。記念曲? そう、あれですよ夏前に私が作詞作曲した『星は輝いてる』。あれは今日の為に作ったのでした。歌詞をご覧下さい。




  星は輝いてる


 良い時ばかりでは なかったけれど
   ずぶ濡れにならずに 悪くはなかったさ


 つるりとした日々が 今日も暮れてく
   隣の芝はいつも 青く見えていた


 先に行ってるよと 別れた友よ
   走り続けているか 止まってないか


 手のひらをこぼれた 夢のかけらが
   風に吹かれて逃げる 昨日の彼方へと


 別れ道じゃいつも 迷ってばかり
   答えの出ないままに 西へ東へと


 星は輝いてる たとえ見えなくとも
   こころ開いて見上げれば そこにあるから


 いつか見てた空は 今も青く高く
   その手のばして届くなら 掴めば良いさ




 これを練習するために『ピラータ』へ通った訳です。成川氏が弾き語り、私がエレギで付けますが、程よくごきげんな成川氏、歌える?「歌えるよ。歌詞が覚束ないけども」。ぐだぐだになるだろうけど、せっかく用意したんだからやらないわけには行くまいよ。それ。


「おぉ、いいね」「ほぅ」「・・・(号泣)」「よー!(拍手)」


 中野氏は、おおよそこんな反応でしたが、どこが琴線に触れたのか泣き出す始末。どうやら50代になると涙もろくなるらしい。演奏は歌詞は覚えてくれていたが、後半暴走してへろへろになってしまったよ。だが、そんなんでも人の心は動く事があるんだな。不思議な事だ。


「良かった、良かったよ。チューしてあげよう」


 なんと、2人にはこのところ奥方にもしていないでお馴染みのチューのご褒美が振る舞われたのでした。もう1曲やったらお姫様抱っこされてベッドに連れて行かれるところだったな。なにがなにやら。


 良い時間になったので、迎え要員の成ちゃんの奥さんを交えてケーキを食してお開きの流れに。なのに一旦母屋に引っ込んだ後、なぜだか愛犬と共に戻って来る中野氏。早速ケーキをクンクンする犬、やめなさいと遠ざける私、へらへらする中野氏。違う違う、そうじゃなくてケーキを切りたいんでナイフを持って来やがれ下さいよ。
 真っ暗な中酔っぱらい1人で行かすのもあれなんでスマホのライトで照らしながら着いて行ってびっくり。ふらっふらの千鳥足だ。こんな絵に描いたような千鳥足、子供の頃テレビで観たドリフのコント以来だよ。目の当たりにしたのは初めてだ。すごいな、この足の交差加減。なんで転ばないんだろう? 絶妙にバランスを保っているようだ。


「うーん。楽しいなー、今日は」「歌、良かったよ。歌詞がむにゃむにゃにゃ・・・」「あれがんjbcおt3df78dーp;l。「p^ー8761t23へk、だな。ふーぅ」
 

 ・・・これが酔っぱらいってやつか。て感心している場合ではない。ナイフ持って工房に戻ろう。寒いし。



 さあ、ローソクを吹き消す前に皆でハッピーバースデーの歌を歌いましょ。せーの、



「ふー。消しちゃった。ぐへへへ」・・・おいおい。


 帰り際、成川氏に「ぼくに感謝してる? ねぇ? どうなの? ねぇ?」と今度は絡み酒を発動。ああ、しているともと成川氏。奥さんには「(成ちゃんは)良い奴だから、よろしく頼みますよ。ね、ね?」はいはい、わかりましたと苦笑いの奥さん。この酔っぱらい、いい人なんだか、なんなんだか。『酒は飲んでも飲まれるな』良い子のおともだちは気をつけよう。


 ヘベレケなスタートとなった中野氏の50代。我々の間でさえ20年前には考えられないことが起こったなと語り合ったが、今後の20年でまた良い事も悪い事もあるだろう。アリが最後に笑うとは限らないし、キリギリスが馬鹿を見ないこともあるのが人生だ。だが、それがどうした。何度でも立ち上がれ、愛の力で!(なんのこっちゃ)。


 なんにせよ中野氏に楽しんでもらえたようで何より。それが目的だもんね。「お誕生日会を開いて良かったな」後楽園遊園地のヒーローショー並にガッチリ握手して別れた。ありがとう成ちゃん。ロリー・ギャラガー最高だね。そんなこんなでおじさんたちの2016年は暮れて行くのでした。


 Esta estrella es demasiado estrecho! Saltar al universo! 中野氏の明日に幸あれ! めでたし、めでたし。