あ〜さんの音工房

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ニコロ・パガニーニ?

 

 良く晴れた1日だった。国道の情報ボードが34度を表示していた。今はすっかり陽は影を潜め、夜の風が吹き出している。

 

 昼にはピザを一切れ食べた。もちもちとした生地で、とても美味しかった。日差しは強かったが、木陰は別世界のように涼しかった。やぶ蚊に喰われたけれど。

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 花壇があったので散歩した。

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 灼熱の日差しに

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 負けずに

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 謳歌する花々。力強いものだ。

 

 行政が管理しているので、花名の書かれた札が立っているが・・・ん!?

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『ニコロ・パガニーニ』とはこれいかに。この人のことだろうな、それ以外考えられない。

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 悪魔に魂を売っただの、悪魔そのものだの言われ続けた生涯であったそうだが、晩年は(といっても享年57歳ですが)こんなに人の良さそうなおじいちゃんなのである。金に汚かったエピソードも多々あるが、経済的困窮に陥ったベルリオーズに手を差し伸べたこともある事だし、そこそこいい人だったんじゃなかろうか。

 パガニーニは20台ほどのヴァイオリンを駆ったことが知られているが、最も有名なのがグァルネリ・デル・ジェス作『カンノーネ 1742』だ。この個体は現存していて、ジェノヴァ市が保有しているそうだ。

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『カンノーネ』による演奏が、功労者サルバトーレ・アッカルドによって録音されている。カノン砲のニックネーム通り朗々と歌う様が捉えられている。

 本CDは箱入り大判解説書内包で、この名器が後年研究されていた様子も納められてている。

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David Garrett (Niccolo Paganini) Caprice 24 [The Devil's Violinist]

 

 これは昨年製作された伝記映画だが、まあまあ面白かった。少なくとも『ベートーベン』と同じ位には。このシーンは当時の流行音楽や人気演奏家が、どのように享受されていたかを描いているが、実際もこんなところだったろう。現代のようにかしこまって聴いていた者などいなかったはずだ。この頃の音楽は大衆化して久しく、猥雑な雰囲気の中パフォーマンスする人気演奏家時代の寵児「スター」以外の何者でもなかったのだ。

 

 作品自体には大きな問題点がある。言語が全編英語なのは仕方ないとして(パガニーニが英語で会話するのを受け入れなければなりませんが)舞台が伊国から英国に移ってしまうのが大変マズい。史実に基づいているとはいえ、伊国内で英語で会話していたパガニーニが、英国でもそのまま英語を話す。英国人も当然母国語である英語を話す。この違和感はいかんともし難い。

アマデウス』も全編英語だが、ほぼドイツ語圏から出ないので、そこまでの違和感はない。が、やはり英語を話すモーツァルトやドイツ皇帝には減なりとすること必至なので、独語の吹き替えがあればなと観るたびに思ってしまう。あまり評判のよろしくない『SAYURI』も日本語吹き替えで観れば、多くの問題は解消するのだ。

 

 音楽家を描いた伝記映画の最高峰は『アマデウス』であるし、今後も揺らぐことはないだろうが、この作品も面白いので推薦したい。現在絶賛上映中。ちなみに主演は本物バイオリニストのデイヴィッド・ギャレットだ。日本の好楽家には、少年時分の来日公演でピアノ伴奏のおじさんに「デイヴィッドくん、きちんとチューニングしたまえ」と注意されちゃったことでお馴染み。今やこんなに小汚く、いやいや、こんなにセクシーになりました。

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『ニコロ・パガニーニ』はその名の通り、ロマンチックで怪しげな花を咲かすらしい。セクシーだねぇ。