あ〜さんの音工房

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不思議にインフレの話

 最後のツアーと銘打って、キッスが来日するそうだ。


さらばKISS!これが最後の来日公演!

 全5公演でお代はSS席¥25,000 S席¥20,000 A席¥15,000。どでかいセットを組むとして東京ドームだとアリーナとスタンドで4万人超くらいの動員か。メンバーのみなさんのギャラが馬鹿高いとは言え、なかなかの料金設定だ。逆にドームを埋めなければペイ出来ないてことなんだろう。えらいことだ。向こうに観に行くと思えば安いと言えなくもないが、ナウなヤングたちに手が届くだろか? そもそもナウなヤングたちがキッスの公演に行くのか甚だ疑問ではあるが。

 私が学生だった頃は、外タレがドーム公演をすることはなかったが(ドーム自体がなかったので)、渋谷公会堂にオジーが来た時も、武道館にマイケル様がお見えになった時も、せいぜい3千円くらいだったはずだ。今と比べると破格のお値打ち価格だが、このくらいでないと学生には手が届かない。今の学生さんたちはどうやって捻出しているのだろう? 身近なフェスでさえ1万前後するだろう。駐車券付きで2万とか。

 いま映画は一般¥1,800だから四半世紀前とくらべて2割ほどの値上がりだが、音楽イベントなどは2倍3倍に値上がっている。ここだけ凄いインフレだ。デフレの象徴100円ショップで買い物をする「コスパ世代」、一定の料金で見放題聴き放題の「定額世代」のみなさんが、なぜここだけにお金をかけることが出来るのか不思議だ。

  かつて映画のVHSビデオは¥15,000位した。映像ディスクは今やとんでもないデフレ価格になっているが、物の適正価格は需要と供給のバランスで変わるとするならば、直接のコミュニケーションを好まない(電話すらしない)デジタルネイティブのみなさんは、高額な音楽イベントに価値を見いだしているのだろう。音楽イベントだけが何故こんなにインフレ風に吹かれているのか不思議に思うが、そんな私でも年に数回程度は足を運んでいるのだから、それに見合う魅力があるのだろう。友人知人たちに会うのが主で、演奏自体にはがっかりすることもあるけれど。

 この秋の増税で、さらにチケットの価格は上がるのか。やれやれだぜ。