あ〜さんの音工房

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パトロンになったけど

 

 30人目のパトロンになったけれど、目標金額までは程遠いなぁ。



 今に始まった事ではないけれど、この国のクラシックギタリストが録音と演奏会だけで食って行くのはとても難しい。ほんの数人しかいないんだよ。数人だけなんだ。多くの人は教授活動をして生業を得ている。そもそもクラシックがジャンルとしてポピュラーではないし、クラシックギターを聴く層はその中のほんの一握りでしかない。そしてその多くは自分でもギターを弾く野良ギタリスト達だ。
 

 どうすれば増やせるだろう?と時々考える事があるが、演奏を目にする・耳にする機会が無いと、興味を持つ事すらないだろうし、ましてやこの楽器を弾いてみたいと思うには、大きな動機が必要になるだろう。私の場合は、クラシック音楽にハマって自分でも演奏してみたいと思ったのが切っ掛けだ。ギターをかじっていた事があったので、この選択になった。
 ギターは良く見かける割には知られていない楽器だ。以前は『芸術劇場』などで頻繁に外タレのクラシックギタリストが中継されていたものだが、この頃とんと見かけない。その頃のNHKはなにを血迷っていたのか、都心の著名ホールはもちろん砧公園にある世田谷美術館での演奏が中継された事もあったと記憶している(どこかに録画してあるはず)。確かロサンゼルス・ギター・カルテットの演奏だった、はず。ギターの四重奏が放送されていたんだ。今振り返れば驚き以外の何物でもない。邦人ギタリストも福田進一が旗を振り、エース村治佳織が頑張っていた。最近アルバム・リリースに伴って、いくらか見かけはしたけれど、メディアでのギタリストの出番は増える気配がないのが現状だ。
 

 ギターの演奏を見かける機会があったとして、心動かされなければ始める切っ掛けにはならないだろう。「もっと聴きたいな」「あんな風に弾けたらな」などと思わなければ。今はスマホで動画を観る時代なので、動画投稿サイトでクラシックギターに出会う事の方が多い事だろう。しかし、スマホの小さな画面とぺんぺんした音色ではいかにも弱い。人口自体が減り続けていることを思うと、新規の参入は運任せにするしかないのか。今は楽器を弾けなくてもコンピューターで音楽出来る時代だ。すでに数多くのアマチュアが出現しているが、きっとプロの音楽家にもいるのだろうと思う。「プログラム覚えれば交響曲だって書けるし、そのほうが良くね?」確かにそうだ。ひとつの楽器を極めようとする強い動機とは一体なんなんだろう?


 1枚のディスクを世に送ることが、クラシックギタリストにとって、困難極める時勢であることを、竹之内さん本人の言葉で実感出来るだろう。


「1枚目のCDを出してからもう13年の月日が経ちました。その間2枚目のCDを!という声がある度に苦笑いする日々・・・そして思い切ってクラウドファンディングで資金を募ってCDをリリースするプロジェクトを立ち上げました!!ここからが本番なんですが、クラウドファンディングというものは、挑んだ人にしか分からない、本当に心が自立していなければ出来ないほど大変な事だと感じました」


http://mihologie.blogspot.jp/2017/03/blog-post_9.html


『ギタリスト竹之内美穂日記』を覗いてみて欲しい ↑ 挑戦する姿勢に共感出来たならば、まだ間に合う。あなたもパトロンになってみませんか? リミットは28日23時59分。


 東京では桜の開花宣言だとか。こちらではまだ、蕾は堅く閉じられたままだ。